WILLナビ(ウィルナビ)─首都圏中学受験・塾・入試・学習情報サイト
協力/朝日小学生新聞・プレジデントFamily・東京出版・森上教育研究所・安田教育研究所・ワイワイネット、他
A君,B君の二人で,次の石取りゲームをします。
例えば,はじめに20個の石があります。
@ A君は5個の石を取りました。
A B君は残った15個の石から6個の石を取りました。
B A君は残った9個の石から1個の石を取りました。
C B君は残った8個の石から5個の石を取りました。
D A君は残った3個の石から3個すべてを取ったので,ゲームに勝ちました。
(1) はじめに15個の石があります。そこからA君は3個の石を取りました。次にB君は何個の石を取れば,A君の石の取り方によらず,B君は必ず勝つことができますか。
(2) はじめにある石が40個,41個,42個,43個のうち,A君の石の取り方によらず,B君が必ず勝つことができるはじめの石の個数をすべて選びなさい。
(3) はじめにある石が10個以上100個以下の場合,B君の石の取り方によらず,A君が必ず勝つことができるはじめの石の個数は何通りありますか。
ゲームの必勝法に関する問題です。よく見かけるのは「最後の石を取った人が負け」というルールですが,本問はその逆ですね。
(1) 次はB君の手番で,石は15−3=12(個)残っています。
B君が必ず勝つということは,A君が何個取ったとしても
最後の1個を取ることができないということです。
1+6=2+5=3+4=7 …… ☆
に注目すると,B君が7個の石を残して
(5個の石を取って)A君に手番を回せばよいとわかります。
実際,次にA君がすべての石を取ることはできず,その次の
B君の手番ですべての石を取ることができるため,
B君は必ず勝つことができます。
(2) ☆に注目して,「直前に相手が取った石の個数との
和が7個になるように石を取り続ける」という戦略(★)を考えます。
はじめにある石の個数が7の倍数のとき,
B君は必ず勝つことができます。なぜなら,
★を繰り返すことで,必ず最後の石を取ることができるからです。
一方,はじめにある石の個数が7の倍数でないとき,
A君は必ず勝つことができます。なぜなら,A君は1手目に
「石の個数を7で割った余り」の個数の石を取って
石の個数を7の倍数とし,そのあとは★を繰り返すことで,
必ず最後の石を取ることができるからです。
40,41,42,43の中から7の倍数を選んで,答えは42個です。
(3) A君が必ず勝つことができるのは,はじめの石の個数が
7の倍数でないときです。
10以上100以下の整数は91個あります。そのうち
7の倍数は7×2から7×14までの13個なので,
答えは
91−13=78(通り)
中学への算数
東京出版刊行
解き方のイメージを育て、思考力を鍛える!
詳しくはこちらから!
●編集方針●
最近の中学入試では、型にこだわらない新傾向問題が増えています。 これらは、ためしたり、かぞえたり、整理したり、場合を分けたり、 規則性を発見したり、グラフを書いたり、図形を動かしたり、 立体をいろいろとりあつかったり、というように、 単なる反復練習では解くことのできない、 数学的な発想力や思考力を要求される問題です。 それに応える力を育てることが本誌の最大の目標です。同時に、受験を離れたところでも、算数のおもしろさ、 楽しさを伝えていきます。
できた問題についてはそれだけで満足せず、できなかった友達が「なるほど」と納得する説明を君ができるかどうかを自問自答してください。
できない問題があっても嘆きは無用です。中学入試の算数の出題の背景には、多くの先人たちの英知が結集しているのです。「なるほど、それならできないこともあるな」とリラックスして、先人に敬意を表しつつ“名画を鑑賞”する気分で、その筆遣いを少しでも取り入れられるかを楽しみながら検討することが君の財産となるでしょう。
海城は“好奇心と粘り”をもった皆さんに応える数学を展開します。君の入学を待っています。